「翔平やん!?」
振り返るとそこには、女子大生という名の2人の天使が俺たちに(てか俺に)むけて微笑みかけていた。
しかし正直な俺は正直に云おう。ただのマレーシアのスタッフだ。俺が自力で構築したネットワークでもなんでもない。だがセックスはした。(とんでもねー嘘つく)
「こ・・こっこ!!」
「受験生がこんな時間に何してるん~~?」
「いや、これには話すと長くなる事情があるねん。」
「え~なになに~?」
「えと・・・まぁ・・・(敬称略)ってことやねん。」
「なるほふどね。かくかくしかじかってことやね。」
「まぁそうゆうことになるね。」
「まぁでも確かに悪くない案かもしれへんよね。教えてくれそうやん。キャバ嬢!」
「そうなん!?もーちょっと粘ってみよっかな~・・・・まぁでもそんなことはもういいねん!!俺が困ってるんはそのコにどーやって声かければいいかって事やねん。」
「あ~なるほどね~」(えっ?アナル?アフニシ?)
「(前書いた)コントで行くってのはナシなん?」
「いや~それは絶対引くって!ナチュラルにいかな!」
「皆そうゆうけどナチュラルにって具体的にどうしたらいいん?そーゆーんって場数踏んでナンボやん~?」
「だから、さりげな~く行けばいいんよ。あ~でもそーゆーの苦手そう~~(笑)」
「いや~~案外苦手でもないって!!」
「そうなん~~?まぁ最初はだからさりげな~く声かけてあとはお菓子とかあげればいいねんて。」
「いやそれはこっこがお菓子食べたいだけやんね。」
「そうやね~。」
「まぁいろいろありがとう!!頑張るわ!!じゃ~ね~」
「ばひばひ~」
そして俺たちは帰路に着いた。帰りの電車の中、何かを手にしたような感覚の残る掌を握り締めて俺は思った。
「こんなことしてたら落ちる・・・」
果たしてそれは現実のものになるかそれは神のみぞ知る話だ。だが今確実に言えるのは俺はそんなこと全く気に懸けずそのままジダマんちへと直行したとゆうことだった!!
「うぃ~~~~~す」
「勝手に入りーな」
俺様ほどの人物が直々に家まで赴いてやったというのに俺の事など見向きもせずテレビに映る二宮君に夢中のジダマ。
「・・・・」
「二ノ宮君かっこえぇわ~」
「かっこえぇな。俺の次くらいに。」
「。。。。」
「・・・・あの~」
「ぁー?」
「せっかく来たんでテレビはこれくらいにしてもらえないっすかねー」
「ったくしゃぁないなーー何なん?」
「いやまぁちょっと。」
「何」
「大人の話ってことでここではちょっと・・・」
状況解説をしておくとジダマは三人姉弟。さらに全国屈指の社交家の母親により、家には常に他の家のちびっ子達が五人ほど放ったらかされている。
そう。ジダマは苦労人なのだ。
俺達は和室に入り、俺は事の顛末を全て話した。
「・・・残念な青春送ってるなぁ。で、何?」
「いやまぁそーゆーことで何て話しかけたらいいかな~なんて」
「トランプやる?」
「おぉ」
「大富豪やろ」
「おぉ」
「で?」
「いや~まぁ俺的にはちょっと煮詰まってるってゆぅか・・・あ!そういえばこの前・・・ちょっ、聞いてやまた俺の父さんがキレてさ~~!!俺らが暖房と冷房間違えてつけとったん気付いてマジギレしとんのよ~~!で、この通機口さわれや~~!!つって真っ赤にしながら叫ぶんよ~~!!」
両者大爆笑。父さんネタは普遍的にウケる。ただ、話しすぎると相手が引くが。
話はそこから脱線の一途を辿り、俺がこの前阪急六甲でぺ二マンをしたあたりで元の話にやっとこさ戻った。
「だから要するにさりげなく行けってゆってるやん」
「だからそれがわからへんって重ね重ね言ってるやん」
「そんなん自分で考えろよ」
「女心わからへんし。あ、てかそろそろ時間や。スーツ取りに行く約束しててん。知り合いの大学生に。」
「何のスーツよ?」
「コント用の」
「アレやったらあかんってゆってるやん」
「まぁ一応」
「そのひとかっこいいん?」
「超」
「じゃあママちょっと行って来るわ!」
「ちっ。」
そして俺はまたしてもマレーシアで知り合ったスタッフのスケちゃんの家に赴いた。
スケちゃんはスーツを持って家の前で待ってくれていた。
「おぉ翔平」
「ごめんな遅くに。これ彼女」
「・・・」
「拒否っとるやんけ。」
「そうやね。嘘やからね。」
「なんでそんなしょうもない嘘つくねん」
「所詮嘘やからね。そっちみちしょうもないからね。」
「まぁそうやけどな。」
中略
「じゃあありがとうスケちゃん!それで行くわ!!」
「いや提案したんアキやから」
「じゃ~ね~!!」
「おぅばひばひ~~」
結局さりげなくパヒュームに近づく作戦は決定した。
「隣に座ってシャー芯を借りる!!でポキって折ってもう一本もらう!」
か・・・完璧や・・・。
と思われた。その時は・・・だが俺がその時知る由もなかった・・・
それからジダマんチに戻ってしばらくして泥酔して帰ってきたジダマの父に深夜の3時まで「親子愛」について語られるハメになるとは・・・しかも何気に「御前は鼻くそみたいなもんや」とかゆわれたし・・・頼まれてもあんな家と絶対結婚せんし!
そうして決戦前夜の夜は更けていった・・・
自転車の帰り道聞いた「明日晴れるかな」を俺は一生忘れる事はないことはないだろう・・・。